吾輩も〝ネコ〟である。名前はマル。
旅するハチワレ猫のマル(3歳)は、でっぷりとしたお腹がチャームポイントのオス猫。
故郷愛媛を飛び出し、兵庫県にやってきたマルは、旅の途中に出会った少女・桜子の願いを叶えるため、兵庫五国を駆け巡りました。大冒険の果てに、バラバラになっていた仲間たちの心を一つにすることにも成功。「もっと広い世界が見たい」とさっそうと兵庫を後にしたはずでした。ところが…。
「ああ、快適。これは快適」。マルは西宮市に住む少年ケンタの家でぬくぬくと飼い猫として過ごしていました。マルの言葉が理解できるケンタとは、出会ってすぐに親友に。
でも、ケンタには一つ、とても大きな悩みがありました。実は太っていることを、学校でからかわれていたのです。「ボク、ホントに弱虫でダメなんだ…。学校に行きたくない」。涙を流すケンタのために、マルは奮い立ちます。
太っているのが恥ずかしいなんて誰が決めたのか。外見をからかう方がカッコ悪い。自分の頭で考えようよ…。